運送業界の2024年問題である人手不足を解消する方法
なぜ運送業界は人手が足りないのでしょうか?
国土交通省によりますと、令和4年7月現在の有効求人倍率は全職種で1.2倍、運送(自動車運転者)では2.42倍となっていて、数年前よりは若干の減少となっていますが、まだまだ他業種と比較しても高い状態が続いています。
一昔前は、運送業界も高度経済成長のおかげで仕事もたくさんあり、トラック運転者を募集したいと思ったら、他社より少し給料を高くするだけで簡単に人を集めることができていましたよね。
私の知っている運送会社でも新しい仕事が入って運転手を集めたいと思えば、有料の新聞折り込み求人広告やネット求人サイトに一週間ほど広告を出せば、十数人の応募者が面接に来ていました。
ところが、5年ほど前からそのような求人媒体を使っても応募者は減り続ける一方、今では求人広告や求人サイトに掲載しても応募者は1人か2人ほどになっています。
せっかくお金を払って求人広告や求人サイトに掲載したのに、必要な人材を確保できない結果に終わって、新規の仕事も取れないという経験があなたの会社でもあるのではないでしょうか?
また、求人広告や求人サイトはプラットフォームである掲載会社が管理運営をしていますので、掲載内容や文字数、掲載写真等いろんな制限を受けてしまい、結局他社の掲載内容とほとんど同じ内容となってしまいます。
これでは、あなたの会社が求人広告や求人サイトに数多くある同業他社の中に埋もれてしまって、あなたの会社名など知らない求職者があなたの会社をその広告やサイトの中から選ぶということはほとんどなくなってしまいますし、たとえその広告や求人サイトの中であなたの会社を見つけたとしても、その情報に他社とのよほどの優位性がなければ、あなたの会社を選択してくれることはなかなか難しいのです。
ネット社会と言われパソコンやスマートフォンを誰でも使える今、ほとんどの求職者は、Webでの情報を利用した求職活動を行っています。
そういう意味でこれからはWebでの求人活動がとても重要になってきていますから、有料求人サイトに掲載するということは、求人活動の一つとして無駄ではないとは思いますが、前述のように、私の経験から言えるのは、求人活動をこれらに限定せず、もっと広い範囲での求人活動を積極的、効率よく行っていくことをお勧めします。
それにはあなたの会社が管理運営できるホームページを利用することが最もお勧めです。
あなたの会社ホームページは、あなたの会社専用のプラットホームです。
あなたの会社ページには、あなたが入れたい情報をいくらでも掲載することができます。
掲載内容や文字数、画像などの制限など全くありませんし、あなたの好きなタイミングで修正や追加、更新ができます。
そのための方法として、WordPressを使ったホームページの管理運営をお勧めしています。
WordPressは、無料で使うことができ、ノーコードでホームページのコンテンツ修正、追加ができるので、まったくプログラムの知識や経験がない人でもすぐに始めることができます。
WordPressを使ったHPで人材を集める
このプラットホームを使って、求人サイト(求人ページ)を作成し、求職者が知りたいと思うような情報を発信する記事を掲載していけば、求職者のアクセスが増え、あなたの会社に求職者が集まってきます。
一昔前のトラック運転者のような「労働時間が多くても給料が高ければ良い」という人は少数となり、仮にそのような人を雇い入れたとしても他社にあなたの会社以上の給料を払ってくれるところがあれば、簡単に転職してしまいます。
今の求職者は、就職の条件には「余暇を楽しむ休日や家族と過ごせる時間がほしい」とか、「給料は低くても、労働時間が短いほうが良い」、「人間関係の良い職場で働きたい」などといった多種多様な要望を持っています。
そのためにもあなたの会社ホームページは、制作当時のままの、会社概要やサービス内容などの固定ページだけのパンフレットのようなページであってはいけません。
今はまだほとんどの運送会社のホームページは会社パンフレットのようなもので、Web検索サイトで検索した人が直接アクセスしてくるようなことはほとんどなく、求人サイトや広告で見た後にどんな会社か知りたくてアクセスしてがありましたが、求人募集欄には広告と同じような内容しか記載されておらず、ホームページからの問い合わせなどほとんどない状態でした。
求職者が知りたいと思う情報が載ったページを追加更新し、検索サイトで検索してもらえるページを作成することがSEOの観点からも非常に有効となります。
そして、その中からあなたの会社に共感したり、その記事を信用してくれた人があなたの会社に応募してくれるのです。
例えば、あなたの会社でいつも運転者さんが行っている仕事内容や未経験の求職者が知りたいような「どんな荷物をどのように運んでいるか」とか「独り立ちするためにどんな研修をしているか」、あるいは、あなたの会社に入社後の将来の姿など動画や写真付きの記事でわかりやすく説明してください。
また、トラック運転者の仕事は「危険な仕事」とか「事故が心配」などご家族の不安材料があって、応募をためらっているという人がいれば、それらの方たちを安心させることができるような記事を掲載してみる。
つまり、求人側としての条件や処遇だけを載せるのではなく、求職者目線でのコンテンツを多く作っていくことです。
既存のトラック運転者が減少し、同業他社との人材の取り合いとなっている今、異業種からの未経験者や女性を対象とした求人戦略にシフトを変化させていくことが近い将来、人手不足で立ち行かなくなっていく中小運送業者に欠かせない対策と言えます。
このような求職者にあなたの会社を検索してもらい、その記事を読んで、あなたの会社を知ってもらい、そしてあなたの会社を選んでもらう。
これが、あなたの会社が人材を確保していく方法として、最も確実な方法となると思います。
そのためには次のような情報を継続して発信していってください。
- 求職者が知りたがっている具体的な情報(例えば、仕事の具体的なやり方や従業員が働いている日常など)
- 嘘偽りのない情報(どれくらいの労働時間でどれくらいの給料を得られるのか、休みは月にどれくらいかなど)
- 求職者の未来が想像できる情報(入社して1年後、5年後、求職者がどのようにかわっているかなど)
- 現在働いている従業員の姿や声 (従業員の写真やあなたの会社に対する声など)
- 他社にはないあなたの会社の魅力(あなたの会社に入るとどのようなメリットかあるかなど)
これらは、求職者が具体的に知りたいと思っている情報ですが、入社した後で現実と異なっていると感じた時に、すぐに退職してしまいますし、場合によってはSNSなどで一気に拡散されてしまい、あなたの会社の信用を失ってしまいます。
このようなことがないようあなたの会社運営の方向性もホームページに掲載した記事と整合させていくことがこれからの運送業界で生き残っていく道となります。
運送業界もあと2年足らずで労働時間上限規制などが適用となります。
今から始めてもまだじゅうぶんに間に合いますので、ぜひあなたの会社ホームページの力を十分に生かせるものにしてください。
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公務員時代は情報管理の仕事で物品管理システムや業務の自動化などに約30年携わってきました。今は会社勤めをしながらフリーランスでWordPressを使ったWebサイトの制作、運用代行、サイト構築のアドバイスやVBA・Pythonでの業務自動化など行っています。兵庫県三田市在住